インターネットと若者の心理第1回

はじめに

楽天・ライブドア・ソフトバンク‥この会社名を昨年(2004年)夏に全部知っていた中年は何人いたのだろうか。今年、プロ野球に参入したり、参入を希望した企業名だ。ひと昔前、プロ野球球団は映画会社、百貨店、電鉄会社、新聞社、食品会社など、その時代の花形産業の会社が知名度を上げる宣伝広告に経営をしていた。だから、戦前、戦後、平成と時代ごとに変わる球団経営の変遷はその時代の経済社会の変化を映す鏡にもなる。

新たに参入する企業はいずれもIT関連企業だ。中高生にこれらの会社について質問すると、社長の個人情報から企業の業務内容まで、詳細に話し始める子どもが多いのには驚かされる。

大人にとってパソコンやインターネットは文章を作成したり、メールを出す、プレゼンテーションに使うと言った仕事の道具と認識しているので使用するパソコンのOSソフトに関心がある。若者や子ども達にとっては、ゲームをする、お絵かきをする、チャットをする、気に入った情報から情報へとネットサーフィンをする、DVDを見るなど、遊び道具の一つという認識をしているのでそれらを提供するサイトや管理会社に関心がある。このように大人と若者や子どもでは、パソコンやインターネットを利用する認識の違いが大きいのではないだろうか。

インターネットは配信者と受信者の間に管理会社はあるがほとんど規制がない。そのため、若者や子ども達にとって過激な性描写や出会い系サイト、ゲーム依存になる可能性があるオンラインゲーム(ネットゲーム)など、非行・犯罪やひきこもりの温床になる。さらに集団自殺の引き金になるような有害で、危険なものは古い固定観念を持つ大人の価値観で考えると、規制して若者や子ども達から取り上げれば良いと言う人も大勢いる。また、一部過激なマスコミでもそのようなことを言いはじめている。

一方インターネットは市民が世界に向けて、国や権力者から管理されないで、情報を自由に発信し、世界中の市民が情報の共有化が図れることができる人類史上初めてのメデイアなので規制なんてとんでもないことだという意見も正論だ。これらの発言を
する人達は、インターネット社会は自由が大原則なので利用者が、たとえ子どもでも自己責任の原則だから、自分で見たり参加したりするのは自由だけれど、自分の責任は自分がとるのは当然のことだと言う。

いずれにせよ、インターネットの社会は世界の潮流を考えても否定できないところまで来ている。しかし、インターネットに関しての大人と若者や子どもの意識のズレを認識し、インターネットが及ぼす、若者や子どもの心理的影響を理解し、情報モラル
の教育を充分にしていかないと、前述のような論争は大きくなるばかりではないだろうか。そして、インターネットに関しての大人と若者や子どもの意識の違いも大きくなっていくばかりのような気がする。

そこで、このシリーズでは、ネットゲーム依存とひきこもり、ネット心中の心理、出会い系サイトを利用しての援助交際の心理、チャットやメールなどコミュニケーションに依存する。若者や子どもが陥り易いケースを取り上げながら、その心理と対応方法について考えていきたい。

 

(牟田武生NPO法人教育研究所理事長)