不登校対応のヒントは昔からの子育てにあり第1回

乳児への“あやし”の効用はこんなにすばらしいのです

1.自閉症の子どもの治療指導でわかったこと

“子どもの心はどんな育て方でどうなるか”についての研究は、実験することができません。偶然の育て方を分析・研究するのです。私どもの教育相談センターに来る幼児で大変多くなっている自閉症の子どものなおし方で、「あやし」の効用の大切さがわかりました。

(1)自閉症とは自閉傾向児とか、自閉性があるなどと言われている子どもで、状態が重い場合には、呼びかけても振り向きませんし、目も合いません。感情交流をしませんし、まねもしないので、言葉がないか、極めて少ない子どもです。

(2)感情が発達していない3歳頃になっても笑い声を出さないし、泣いても涙が少ないし、ほめてもよろこばないのです。叱ってもあまり影響しません。このために一般に利用されている教育の方法では効果がありません。

(3)ことばを覚えようとする心が育っていない2歳、3歳になってことばがないか極めて少ない状態では、いろいろな方法でことばを教えても効果がありません。まねをしよう、ことばを言いたいという心が育っていないのです。

米国にも研究に行きましたが良い方法が見つかりませんでした。ですが、ことばを覚えようとする心情を育てる研究をし、実行してみますと、自分からどんどんことばをまねし、覚えることがわかりました。

この心を育てることとは、笑わせることだったのです。笑わせ、声を出して、よく笑うようになると、目が合い、呼ぶと振り向くし、まねる気持ちが増加して、喃語期となって、言葉を言い始めるのです。

2.笑わせることのすばらしさ

(1)笑わせる方法は「高い高い」をしたり、「手足ブランコ」をしたり、「(背負って飛び跳ねて)お馬さんだよ」などの方法や、くすぐったりすることが有効なのです。

自閉症の原因は生来的な脳障害と言われますが、この方法を実施しますと自閉性はどんどん少なくなります。

しかし、2歳、3歳では、重い自閉児に大変有効ですが、5歳、6歳になると効果は大変少なくなってしまいます。

早期の実施で、脳の障害も小さくなるとか、この方法で脳が発達するなどの意見が出ています。

(2)乳幼児をあやしましょう自閉症児は乳児期にあやされた経験がないか少ないなどの様子がわかって来ています。

あやしたり、高い高いをしたりして笑わせてください。これで子どもの心は発達し、障害の予防にもなることがわかったのです。子どもをあやしましょう。

旧題「おばあちゃんの知恵」と「教育・子育て百科」の記事は統合し、新題「不登校対応のヒントは昔からの子育てにあり」に変更して掲載させていただいております。

(金子保さいたま市教育相談センター所長・NPO法人教育研究所研究員)