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教育・子どもの25年史 第17回 その1

牟田武生

最後に少年Aが書いた「懲役13年」を紹介する。

彼が生きてきた13年間を振返る。現実社会と空想の仮想社会が交錯する。人間関係のスキルが不足している若者の心理と酷似している。

懲役13年   酒鬼薔薇聖斗
1、いつの世も…、同じ事の繰り返しである。
止めようのないものはとめられぬし、 殺せようもないものは殺せない。
時にはそれが、自分の中に住んでいることもある… 「魔物」である。
仮定された「脳内宇宙」の理想郷で、無限に暗くそして深い防臭漂う 心の孤独の中… 死霊の如く立ちつくし、虚空を見つめる魔物の目にはいったい、 “何”が見えているのであろうか。
俺には、おおよそ予測することすらままならない。
「理解」に苦しまざるをえないのである。
2、魔物は、僕の心の中から、外部からの攻撃を訴え、危機感をあおり、あたかも熟練された人形師が、音楽に合わせて踊りをさせているかのように僕を操る。
  それには、かって自分だったモノの鬼神のごとき「絶対零度の狂気」を感じさせるのである。
  とうてい、反論こそすれ抵抗などできようはずもない。
  こうして俺は追いつめられてゆく。「自分の中」に・・・   しかし、敗北するわけではない。
  行き詰まりの打開は方策ではなく、心の改革が根本である。

参考文献「少年A」この子を生んで・・・・・・ 文藝春秋

第17回その2に続く

2006.5.29

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ご協力いただいている執筆者の略歴:牟田武生(むたたけお)

牟田武生(むたたけお) 1947年生まれ。72年に民間の教育相談機関である教育研究所を設立し、不登校を含めた 教育問題の相談・援助活動に取り組んでいる。現在、 NPO法人教育研究所(横浜市港南区)理事長。91年に教師・カウンセラー・児童相談所の相 談員等不登校にかかわる専門家を対象にした研修機関として不登校問題研究会を設立。元NHKラジオ「子どもと教育電話相談」相談員、不登校問題研究会代表幹事、元文部省 「不登校の実態に関する調査」検討委員会委員。
主な著書:『ひきこもり/ 不登校の処方箋 増補版』(オクムラ書店)、『すぐに解決!子どもの緊急事態Q&A』 ( オクムラ書店)、『ネット依存の恐怖』(教育出版)など。