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教育・子どもの25年史 第14回 その1
少年Aの精神鑑定主文
牟田武生
A(酒鬼薔薇聖斗)<さかきばらせいと>の精神鑑定文は、「犯行時及び現在において (精神鑑定時)精神病の状態になく、意識混乱もなく、年齢に応じた知的な判断力を 持っていた」から始まる。
問題は次に段落の『未分化な性衝動と攻撃性の結合により持続的かつ強固なサディズム がかねてから成立しており、本件非行の重要な要因になった』である。
未分化な性衝動と攻撃性の結合とは何を意味するのか。
「未分化な」という言葉は、未分化な感情の状態を表し、外からの刺激に対しての反応 をいうが、感情が分化している人は様々な反応を示し、穏やかな行動ですむが、未分化 な人は直線的で爆発的な反応を示すか、あるいは、落ち込んでしまい動きが取れなくな るかのどちらかである。
感情の未分化な子どもは、他人と共感関係や感情の共有化がはかりにくいために、人間 関係が上手くいかず、ストレスを感じ非社会な行動として、ひきこもりや不登校を起こ したり、反社会的な行動として非行問題を起こすことがしばしば見られる。
感情の未分化は親子関係の歪みから起きる。赤ちゃんは生れた時、快と不快の感情を持っ て生まれる。それ以外の多くの感情の喜びや悲しさ、寂しさなど様々な感情は母親を中心 とした保育者との係わりの中で自然に刷り込まれていく。充分に係わり時間がなかった り、情緒的な交流が不足すると、刷り込み不足や親や保育者の感情が伝わらず、未分化 が起きる。
未分化な子どもは落ち着きがない、気持ちの変動が激しい、他人と心を交わすことがで き難いなどから、「変わった子」とレッテルを貼られることが多い。
第14回その2に続く
2006.1.27
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ご協力いただいている執筆者の略歴:牟田武生(むたたけお)
1947年生まれ。72年に民間の教育相談機関である教育研究所を設立し、不登校を含めた
教育問題の相談・援助活動に取り組んでいる。現在、
NPO法人教育研究所(横浜市港南区)理事長。91年に教師・カウンセラー・児童相談所の相
談員等不登校にかかわる専門家を対象にした研修機関として不登校問題研究会を設立。元NHKラジオ「子どもと教育電話相談」相談員、不登校問題研究会代表幹事、元文部省
「不登校の実態に関する調査」検討委員会委員。主な著書:『ひきこもり/ 不登校の処方箋 増補版』(オクムラ書店)、『すぐに解決!子どもの緊急事態Q&A』 ( オクムラ書店)、『ネット依存の恐怖』(教育出版)など。