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教育・子どもの25年史 第16回 その1
牟田武生
少年Aは犯行時、精神異常の状態ではなく、14歳の年齢相応の知的判断ができ、 意識もしっかりしていた。鑑定の結果、責任能力はあったとされた。
「解離性同 一性障害」の兆候と言われる「多重人格」としての障害はあったが、犯行時の意 識はしっかりしており正気だった。
彼は「この世は弱肉強食の世界であり、自分が強者なら弱者を殺し、支配するこ とができる。僕は『争う意志』を持っています。他人はこのことをあまり気付い ておらず、気付いている点で僕は勝っていると思います」と言う。
母親が彼にプレゼントした愛読書、ヒットラーの「わが闘争」の影響を受けたの か、自分は強者であり、自分より弱い弱者は猫やゴキブリのように殺されてもあ たりまえだと考える。
だから、自分より弱い人間は殺しても構わないという思想 めいたことで自分を正当化していた。
弱肉強食の思想、サディズムが未分化な性衝動を攻撃性に変え、自己の欲求を充 足させるような過激な空想がいつしか、現実の行動にとなって二人の幼い子ども の生命を奪う犯行につながった。
「脳内宇宙」少年Aが作った言葉である。
第16回その2に続く
2006.4.21
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ご協力いただいている執筆者の略歴:牟田武生(むたたけお)
1947年生まれ。72年に民間の教育相談機関である教育研究所を設立し、不登校を含めた
教育問題の相談・援助活動に取り組んでいる。現在、
NPO法人教育研究所(横浜市港南区)理事長。91年に教師・カウンセラー・児童相談所の相
談員等不登校にかかわる専門家を対象にした研修機関として不登校問題研究会を設立。元NHKラジオ「子どもと教育電話相談」相談員、不登校問題研究会代表幹事、元文部省
「不登校の実態に関する調査」検討委員会委員。主な著書:『ひきこもり/ 不登校の処方箋 増補版』(オクムラ書店)、『すぐに解決!子どもの緊急事態Q&A』 ( オクムラ書店)、『ネット依存の恐怖』(教育出版)など。