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インターネットと若者の心理 第13回 その1
ネットゲーム依存とひきこもり(10)
牟田武生
「不安って…」ネット依存の中学生の一人が質問した。
「たとえば、他人の目が気になることから始まり、他人が自分のこと をどう見ているか気になり,被害妄想のようだけれど、自分の悪口を言っ ているのではないかと、気になって仕方がなくなる。そうなると、誰も信 じられなくなって、とても、不安になるのだよ」と自立塾のひきこもりの 青年は話す。
「学校での人間関係はめんどくさいと思っていたけれど、他の人が自分を どう見ていたかなんて全く気にならなかったな。学校に行かなくなってか らも、小学校からのゲーム友達が遊びに来れば、一緒にゲームをやって遊 んでいたし、誘われればゲームセンターにも行ったからね」
「学校の級友に会ったら何か言われるのではないか、気にならなかった?」
「全然、そんなこと気にならなかったよ。というよりそんなこと考えもし なかったよ。学校になぜ来ないのか聞かれても、“行っても楽しくないか ら”と答えると、みんな“そうだよな、進級も卒業もできるしね”と逆に 励ましてくれるよ」とネット依存の中学生は答える。
「他人が気にならないのか? それは楽だね。親の態度や言動をいつも気に しながらの生活は、自宅にひきこもって生活するだけでもしんどいし、自 分の不安な気持ちが、波のように何度も襲って来て押しつぶされそうにな る気持ちとの戦いに疲れ果てるよ。そんな時に“みんな忙しいのに、何に もしないで退屈しないの”と嫌みを親や家庭訪問に来た教師に言われたり すると、心が傷つくというか、絶望的な気持ちになって落ち込むよ。こい つら何にも分っていない。こんな気持ちにさせたのはお前らのせいなのに “許せない”と思い殺意が走ったよ」と青年は話す。
第13回その2に続く
2006.1.6
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ご協力いただいている執筆者の略歴:牟田武生(むたたけお)
1947年生まれ。72年に民間の教育相談機関である教育研究所を設立し、不登校を含めた
教育問題の相談・援助活動に取り組んでいる。現在、
NPO法人教育研究所(横浜市港南区)理事長。91年に教師・カウンセラー・児童相談所の相
談員等不登校にかかわる専門家を対象にした研修機関として不登校問題研究会を設立。元NHKラジオ「子どもと教育電話相談」相談員、不登校問題研究会代表幹事、元文部省
「不登校の実態に関する調査」検討委員会委員。主な著書:『ひきこもり/ 不登校の処方箋 増補版』(オクムラ書店)、『すぐに解決!子どもの緊急事態Q&A』 ( オクムラ書店)、『ネット依存の恐怖』(教育出版)など。