牟田のプロジェクト
○『ネット依存の恐怖』韓国語版完成
○富山県宇奈月の若者自立塾での再チャレンジ支援
○カナダの教育委員会サポートによる不登校からの語学、CG、ゲーム、IT技術留学
○毎年夏の教師&専門家のための不登校問題研修会開催
etc
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夏の研修会
学校に行けないより、行けた方が同世代の子も学校いて、そこで友達を作り、人格の磨き合いが出来た方が、人生が楽しい筈と若い頃思い。
手作りで不登校の子ども達の学校復帰の手伝いを始めて15年位経過していた昭和58,9年の頃。不登校の生徒の件で学校を訪問すると、トイレのドアや便器が壊され、大変荒れていて先生方も大変疲弊していた。
その頃、学校では偏差値教育が大流行し、学校も生徒も偏差値化が始まり、人を育て、成長を育む学校教育がバブルの波を受け、教育産業化が始まり出していた。
少し勉強が出来ないと、「落ちこぼれ」と呼ばれ、成績が下がると「こんな成績では行く高校がない」と、子どもは教師や親に叱咤激励されていた。教師や親の期待に答えられない子どもはストレスを背負いこみ、ストレス発散として校内暴力やいじめ事件を起こした。それが出来ずに、自分自身で抱え込んだ子は、不登校に陥り、やがて、人間不信からひきこもりになっていった。
そんな学校に子どもを戻しても、先生方がその対応を理解していないと、再び、不登校になってしまう。爆発的に増え始め出した不登校の予防という観点という意味もあって、今から19年前に全国規模で「教師&専門家のための登校拒否研修会」を始めた。講師陣は不登校の子どもを知っている学会を代表する大学の先生方や医師に務めてもらった。
19年間で受講者は1万人を超えた。採算を度外視しての事業だったが、保護者や研究所のOBや現役の子らがボランティアの協力もあってなんとか運営ができていた。
しかし、今年度みたいに教員免許更新の研修や夏休み学力をつけるための補習が行なわれるようになると、先生方自身に時間的余裕がなくなる。そして、昔と同じように、子どもの学力低下が騒がれると、生徒指導の問題はほっておかれるようになるようだ。参加者の激減は運営に支障をきたす。運営をしていくために新たな発想が求められている。
研修会では毎年、先生方の講義のレジメが印刷され受講者に配られる。講義ノートの厚さは1センチ以上になる。
先生方も以前は自分の研究領域の話が中心だったが、最近は大阪樟蔭大学の学長で我が国を代表する社会学者のひとりの森田洋司先生が、社会学と教育学のコラボレーションともいうべき、学問の二刀流で生徒指導論を論じ大いに参考になった。
また、日本カウンセリング学会会長の田上不二夫先生が
社会学的な分析の上に、児童生徒を含めた若者の心理を話すなど、まさに、真理の追究と一般教養の真の深さを理解する講義だった。
それらは、問題を抱える先生や保護者の方には、対応方法を含め、生き方や考え方について実践的に実りを迎え出している。なんとか継続したいのだが・・・。
講義して頂いた先生方、ならびに遠方から参加してくれた全国各地の先生方。そして、ボランティアで参加し、運営を手伝ってくれた富山の若者自立塾OBと塾生方々、教研OBの多くの保護者の皆様方、大変感謝している。
2009.8.31[Mon]/backnumber:%bnindex%
手術後1年経過
今日で手術してちょうど1年経過しました。
ステージ3Bで手術し1年間生きられたことに感謝です。
大勢の方からお見舞いを頂き、人の温かさを身を持って感じ、多くの方々に支えられた1年間でした。本当にありがとうございました。
まだまだ予断を許さない状況が続きますが、このご恩はいつか必ず返して行きたいと思っております。
明後日から夏の研修会もはじまり1週間は気が抜けませんが、体調管理を万全にしながら頑張ります。
研修会について詳しく知りたい方はhttp://kyoken.org/release/090521c.html
をご覧下さい。
皆様方もようやく暑くなった残り少ない夏、どうぞ、お身体をご自愛ください。
2009.8.22[Sat]/backnumber:%bnindex%
ステージ4
ステージ4(末期)に上がってしまった。
いつ逝ってもおかしくないらしい。体調管理に十分に注意しなければならない状態になった。でも、お金にならない仕事で忙しい。渋滞の中、宇奈月に行ったりしてお盆も返上の状態だ。
夏の研修会の準備や秋からの講演会の企画。遅れつつある原稿書き、でも、限られた時間だ。仕事は厳選しながら、今や社会的弱者になった子どもや若者の未来に繋がる仕事をしたい。
こうなってくると、山ほどある今の時代から未来社会に使える35年を越える臨床と研究や知識を生かすことが出来る後継者を育てなかったことに悔いが残る。
しかし、特定非営利活動といっても、営利企業並みに課税される公的支払いに追われる状況では時間的な余裕も財源もなかった。
せめて、残った時間を多くの人が、不登校やひきこもりで苦しまないように、知っていることや明らかになったことを書物に残すことに時間に費やしたい。だが、現実的には高額な抗癌剤やガン治療に掛かる費用が工面できない。
医療費の3割加入者負担では、低額所得者や無保険者が癌になると、充分な医療も受けられないのではないかと心配の種は尽きない。
社会貢献事業に力を入れている企業を評価し、民主主義の原点である「最大多数の最大幸福」を実現出来る社会にしていくことがこの国を良くすることにつながっていくと思う。
2009.8.20[Thu]/backnumber:%bnindex%
ライフワーク
8日、文部科学省から不登校の小中学生数が発表され、3年連続して増加にならなくて良かったと思っています。しかし、中学校でマイナス1.1%は統計的には減少とはいえません。また、学年に跨る不登校の増加傾向は長期化を意味し、やがてはひきこもりに転じていく可能性が高く、対応も正念場になってきている感じがします。
この件についてはそのうち、教育新聞で詳しく書きますのでお読みください。
「ネットゲーム依存」に関してマスコミに追われる喧騒の横浜を離れ、今、宇奈月温泉に来ています。今、在籍している塾生やOBには殆ど問題はなく、久しぶりにのんびりと温泉三昧をしています。夏の温泉も汗を流すのには最高です。身の心も洗われる気持ちになります。
胃の切除手術から1年が経過しようとしています。昨日で抗がん剤のTS-1の投与も終わり、副作用からくる様々な症状やダルさともオサラバです。
肝臓と肺に小さなさな癌の転移が見つかり、これを期に癌も元気になって活発に活動しないようにしなければなりません。治癒を目指すのではなく、自己免疫力を高め「癌と共に生きる」ことにしました。
やらなければならない子どもや若者の自立支援のための社会的仕事が山のようにあります。無理をせず、コツコツと登り焦らずに、この問題の解決に向け、微力でもやっていこうと思っています。
結果的には、「志半ばで死す」ことになるでしょうが、限られて時間を有効に使うために仕事を厳選し、社会的仕事の継続が私のライフワークとなるでしょう。
2009.8.14[Fri]/backnumber:%bnindex%
不登校事例研究
問題行動研修会の埼玉セミナーは無事に終わった。
今年の私のセミナーは事例研究を中心に行なった。
不登校の問題を学校の先生は学校教育の問題なので、教育学でのみ捉えようとするから、解決をしていくの方法論にすぐ行き詰ってしまう。
心理学、生理学、精神医学、社会学など様々なアプローチとしての解決方法を考えて行かなければならないことを一つひとつ事例を通して学んでもらった。
人間の問題を扱う以上、生きている全てのものが繋がっている。専門分野だけでなく、幅広い一般教養の知識が大切だと思う。それを噛み砕き説明し、眠っていた想像力を働かせてもらうように働きかけると、「なるほど」と参加者全ての先生に納得してもらえたと思っている。
それにしても、自費で参加する先生は熱心で、その熱心さに押され休み時間抜きでぶっとうしでセミナーを行なったから疲れてしまった。
この問題、なぜ、取り組もうとする先生に温度差があるのか、その理由が良く分からない。不登校の問題はひきこもり、ニートにつながるだけに大きな問題なのに多くの先生はあまり興味を持っていないようだ。
どこの生徒指導の研修会は先生が集まらない。今は学力問題が全てだと言う。
学校に荒れがなく、児童生徒が落ち着いて学校生活を送れば学力は上がるはずだ。生徒指導も学習指導も一つの線で繋がっていることが良く分かっていないようだ。
物事を分断して考えるだけでなく総合的に考えるようにしないと、問題の本質が見えてこないはずなのに・・・。これも日本人の思考の悪癖なのかもしれない。
2009.8.3[Mon]/backnumber:%bnindex%