牟田のプロジェクト
○『ネット依存の恐怖』韓国語版完成
○富山県宇奈月の若者自立塾での再チャレンジ支援
○カナダの教育委員会サポートによる不登校からの語学、CG、ゲーム、IT技術留学
○毎年夏の教師&専門家のための不登校問題研修会開催
etc
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アスペルガー症候群
「青年期・成人期のアスペルガー症候群の支援をめぐって」と題する講演会を聞きに行った。
講師はイギリス人ディグビー・タンタム先生(シェフィールド大学・ケンブリッジ大学名誉上級客員教授、精神科医)
自閉症の研究については世界で最も研究が進んでいるイギリス。タンタム先生は1980年から臨床活動を開始し、現在では1000人以上のクライエントに接しているアスペルガー研究の第一人者である。
アスペルガーの特色として「非言語コミュニケーション」ができない。普通の人の脳は他人と会話しなくても、理解しあえる「脳と脳がつながり」を持っているが、アスペルガーの人達はそのつながりを持っていない。非言語コミュニケーションの障害である。それは表現と解釈に現れてしまい。この障害を持つ人は異質なために、幼い頃から誤解やいじめを体験して来た。
その典型的なアスペルガー症候群の人は
独特の行動様式が一見奇異な印象を与える。
自己流(主観的)変化に対応できない、
アイコンタクトを含む、雰囲気を理解できず、共有できない、
好きなことの会話は永遠に続く、
曖昧な言い方は判断ができないから苦手である。
たとえば、わかれぎわに「またね!」と言われたとする。「またね!」と言うのが「いつのことなのか、非常に気になる」その場のニュアンスが通じない。
アスペルガーは年齢を重ねる(経験値)が高くなると、障害が小さくなるが、治癒はない。
しかし、理解と対応は可能である。
同じ年齢の害のない人と暮らすと良い結果がでる。
害のない人とは、心を傷付けない人(受容的な人)
搾取や騙さない人、
礼儀正しい人、
生活リズムがしっかりしていること
等によって、その人達の模倣をして、自分のものにしていくことが良い結果を生む。
また、アスペルガーからくる、様々な精神症状(パニック症、不安障害等)は薬物療法によって改善が可能である。
イギリスでは約3分の1の人が職業に就くことが出来ている。
アスペルガーは治癒は出来ないが、そのことから派生する情緒的な問題は対応が可能である。
その講義を聞いて、腑に落ちたことがあった。
宇奈月の自立塾のアスペルガーの人達は、行く度に、ほんの少しであるが、月づき成長をしているように私の目には見えるが、その客観的な理由が、どうしても、理解できなかった。
それ故、プログラム化もできず、一人ひとりに合せるしか方法がなかった。
ディグビー・タンタム先生曰く、「時間が掛かる、これをやれば、確実に成長できるというものはまだ見つかっていない。根気よく対応するしかない。その臨床の中から、彼らの共通点が見つかり、それがまた新しい対応方法になる」と言っていた。
頑張るしかない。
でも、また、来週から始まる「特別会計」の事業仕分けで、また、「廃止」が言い渡される可能性が高い。
彼らは「ひきこもりガイドライン」によって、精神障害者になってしまうのか。
最大不幸社会のはじまりである。
2010.10.22[Fri]/backnumber:%bnindex%
日々学ぶこと
先週、神奈川県の児童相談所の相談員研修の後、福岡県私学協会の招きで、研修に行ってきた。昨年に引継ぎの「不登校・中途退学者防止」に向けての研修会だが、参加している学校数は50校を越える。殆どの先生方は高校の生徒指導の先生方、熱心なのとレベルが他府県に比べると高い。
4年前は約1800人を越える高校中退者が出たが、現在は1150人に減少した。生徒の心を受け止め対応する取組が成果が数字になって現れている。しかし、高校中退者は減少しているが、その分、不登校が増えた。高校を退学してしまうと、学校は手を打ちにくいが、在籍していれば、様々な支援ができる。
今後、先生方が不登校の生徒に対する対応を学び、児童生徒の「社会的自立」に向けての対応方法が、全ての先生方が身に付けてくれれば、不登校・ひきこもり・ニートの問題の解決の一助をなす事だろう。福岡県の先生方には、全国のモデルケースになるので是非頑張って欲しい。
福岡県の私学協会の「不登校・中途退学者の防止委員会」の委員長として他校を引っ張っているのが、立花高校理事長の齋藤校長だ。齋藤校長「先生のいう卒業後の切れ目のない支援をおこなうために、卒業生の自立支援を10月から行ない始めました」と言う。
同校を卒業し、進路が決まらなかったり、卒業後、ひきこもってしまった卒業生(27歳から19歳)の若者のステツプとして在籍者のお弁当を作る支援施設を作った。
高校が卒業後の若者の自立支援を行なうケースは非常に珍しい。卒業生は九州大学が移転してしまいシャッター街になってしまった箱崎地区にあった元自然食レストランに、月から金、集まり、恩師や後輩のためのお弁当作りに専念する。
街の再開発をめざし、新しいコミュニティービジネスの拠点の1つの柱に成長することを心から願っている。
2010.10.21[Thu]/backnumber:%bnindex%
文部科学省HPに掲載
文部科学省の助成研究事業で宇奈月自立塾で行なった研究実践活動の報告が、文部科学省のHPに掲載されています。
「悩みを抱える体験活動」の研究です。
研究題名は「共同生活を通してニートの若者の意識を分析する」
です。
http://www.mext.go.jp/a_menu/sports/ikusei/taiken/__icsFiles/afieldfile/2010/09/09/1296866_02.pdf#search='久玉和昭'
是非、ご覧下さい。
宇奈月自立塾の活動内容が良く分かります。
2010.10.15[Fri]/backnumber:%bnindex%
有言実行
中学生に四字熟語(慣用句)のテストで、「不言実行」と「有言実行」のどちらが正しいかと、問うと、「有言実行」が正しい使い方だとする意見が圧倒的に多いらしい、また、民主主義を現す用語の1つである「最大多数の最大幸福」と「最小不幸」をでは「最小不幸」と答えるらしい。
言葉の意味を充分に考えずに、丸暗記で得た知識詰め込み型になった思考が中心の今の学校教育では、マスコミ等で聞く、聞きなれた言葉が正しいとどうやら認識するようだ。
首相が作り出した勝手な用語。
御自身は思い付きで使っているのであろうが、首相という立場は一般人と違い大きな影響力をもつ、本人がユーモアやギャグのつもりで言っていたら罪つくりな話である。
学術用語や慣用句は文化を現す言葉でもあるから用語としては慎重に扱いたい。
しかし、今年の入試問題に正誤問題として出そうな問題であるが・・・。
2010.10.14[Thu]/backnumber:%bnindex%
さらに景気が悪くなった!
若者自立塾を卒業し、就職したものの中には派遣社員になった人もいる。
その一人のA君は30代半ば、派遣先の工場を休まず、サボらず、3年間働いて来たが、この半年、どんどん仕事が減少し、仕事が週2日しかなくなってしまった。
派遣の仕事は基本的に時給仕事。
働く時間が少なくなれば、給与も少ししか入らない。今までは、貯金でなんとか暮らしてきたが、ついに底をつき始めた。
それを予測してハローワークで夏から求職活動をしているが、仕事にあり付くことができない。
何とか、我々としたら仕事を世話して上げたいのだが、年齢もあり、発達障害を抱えている身、なかなか、受け入れ先がみつからない。どんなに頑張っても弱者が暮らせず、社会で一番先に切り落とされる。
やっと、10年を超えるひきこもりか抜け出し、元の生活に戻らないように頑張って来た3年間だったが…。
本人は「いよいよ、ホームレス暮らしかな」と肩を落とす。
貧困は大人だけの問題でない。
子どもの厚生労働省発表の相対的貧困率が7人に1人、http://www.mhlw.go.jp/houdou/2009/10/h1020-3.html
本当に日本は先進国なのだろうか。
最大不幸社会は音を立てて近づいて来ている。
NHKテレビでは予算委員会で白い立て衿の100万円を超すといわれるスーツを着て、仕分け作業の責任者が辻褄が合わない答弁を繰り返している。
2010.10.12[Tue]/backnumber:%bnindex%
不登校・ひきこもり!日本発、世界へをくい止めたい
タイから帰国し、すぐ、宇奈月に来た。
タイは3年3が月ぶりの訪問だった。2年に1度は「経済の発展段階と不登校の発生」を調べている。
これは日本をモデルにして、韓国とタイで10年前から行っている。韓国での予想はあたたったが、あたっただけではすまない。本来ならば、不登校が発生する前に予防策をとっていけば、対費用効果もあり、本人および家族も悩まなくてすむのにと思う。
経済発展に人の力、すなわち教育力が欠かせない。経済が発展し出すと、同一民族で纏まっている国家の教育価値感は、受験教育色が強くなり学校以外の塾に子らは通うようになる。さらに、親も労働時間が長くなり家庭での親子の会話が必然的に少なくなる。家庭の形態も大家族から核家族へ変化していく。
それらの歪みが一番弱者の子どもにでる。
経済発展の中の負の部分が不登校・ひきこもりではないかと仮説を立て長い研究をしている。
様々なデータは日本でも得られるが、現地に行かないと感覚がつかめない。タイでは首都のバンコクでは5年以内に不登校が起こりうる可能性が高いのではないかと今回の訪問で感じた。
タイレベルの国で本当に不登校・ひきこもりが起きると、新興国の中でコスモポリタン国家以外の国で同時に多発する可能性が高くなってくる。日本からはじまった不登校・ひきこもりも世界に広がりつつある。ひろがる前に予防をしたい。世界の子どもや青年が苦しむ前に何とかしなければならない。
2010.10.2[Sat]/backnumber:%bnindex%